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在宅チーム:福祉マネジメント職・プレリーダー サービス担当責任者 介護福祉士

*役職及びインタビュー内容は、2020年4月時点のものです。

当社に務めて長いそうですね。

2010年11月に入社したので・・・・・そうですね・・

入社したころは、まだ会社名が「福システム」でなく「日本システム」という名前の頃でした。高校の時にラーメン屋でバイトを始めたのがきっかけで料理が好きになり、料理の専門学校で中華料理を勉強して中華料理屋に就職しましたが、職場と上司が合わず1か月で退職してしまいました。その後、ラーメン屋や工場でバイトをしつつハローワークで仕事を探し、この会社へ就職しました。

料理人とは別世界の福祉の仕事を選んだのはなぜですか?

矛盾してますが、元々、人とのコミュニケーションが苦手なんです・・

なんか、「人の役に立つ仕事がしたい」と思ったんですよね。矛盾してますが、元々、人とのコミュニケーションが苦手なんですよ。昔から人と会話すると話が続かず、どもってしまうので話すのが苦手なんです。あと自分の顔が外国人みたいに見られることが多くて、それも劣等感となっていたのも原因でした。自分で自分のことを「普通より劣っている人」と感じ「普通に見られたい」と思っていました。今思うと、あまり動機としてよくないのですが、「困っている人を支援する」ことで「自分の方が上の立場でいられる」と感じ、自己肯定感が得られると無意識に思っていたのかもしれません。今は違いますが・・。

実際に福祉の仕事を始めてみてどうでしたか?

・・・・・最初は、びっくりすることが多かったですね・・・・・

初めて支援で関わった方が、60代で進行性の病気による身体障害のある男性でした。すでにその時には身体をほとんど自分で動かすことができず、日常生活は基本的に全介助が必要な方でした。でも1人暮らしをしていたんです。障害のある方に関わるのも初めてでしたが、その方が1人で暮らせていられることに驚きました。朝・昼・夕と支援が入り、調理や食事介助、排せつ介助等を受けていました。

いきなり重度の障害がある方で大変だったんじゃないですか?

・・・先輩と同行訪問から入って教わりましたね・・・・

先輩からは、その方は支援者のやり方等が気に入らないと「お前はもう来るな!」と支援を拒否することもあると聞いており、いきなり1人では支援できないと感じて、先輩に同行して支援方法を一生懸命覚えました。その後1人で支援に入るようになったころ、その方が他の職員に「山崎さんはしっかりやってくれる」と言っていたというのを聞き、認めてもらえて嬉しかったのを覚えています。直接は言ってもらってないですけどね。(苦笑)

その人の支援で楽しかったことはありましたか?

・・外出の支援があり、野球に一緒に行ったことが面白かったですね・・・

重度の身体障害があったので外出は2人体制で支援しました。定期的な通院以外に、温泉や野球観戦にも行きました。元々野球が好きな方で、敷島球場で巨人戦がある時に一緒に行きました。観戦している時のその人は普段と違い「覚醒」しているように見えました。普段は口うるさい人なんですが、野球の試合に静かに浸っている感じで集中して楽しんでいました。普段のその人と違う姿が見られたことが面白かったです。その時から重度の障害があっても介助があればどこでも行けると思うようになりました。

他に山﨑さんにとって心に残る利用者さんはいますか?

・・男性利用者さんでいますね・・・・・今も利用されていますが・・

7・8年前からずっと支援している男性利用者の方ですね。訪問サービスと外出支援をしています。最初はサービス事業所の職員として支援する側という立場で関わるという意識が強かったと思います。その方は障害の特性から易怒性(怒りやすい)があるため支援中に怒ることがあったのですが、その時に上から目線で「怒っちゃダメじゃないですか?」と自分も少し感情的になり、その方に指示をしてしまったことがありました。しかし、その後長年関わる中でその方のことを色々知り、支援をする側というかまえた意識は消え、自分も心を開くようになって自分のことをその方へ話すようになり、お互いにお互いを受け入れ自然に関われる友達のような関係になりました。

「友達のような関係」ですか。では仕事以外にプライベートでも関わったりとか?

いえ、それはないです・・

確かに友達のように関われるようになると情も湧きますが、あくまでも利用者さんとして関わっています。そこはけじめが大切です。しかし、お互いが心を開き、同じ目線の高さ、人として対等な関係であることでお互いに無理なく関わることができ、利用者さんが自然でいられる様になったと感じました。その為、外出支援(カラオケ・プール・映画・温泉など)では友達同士で遊んでいるように利用者さんが気兼ねなく楽しまれており、その嬉しそうな姿を見ると、自分も心から嬉しくやりがいを感じますね。利用者さんにより色々ではありますが、相手に合わせ自然にいられる関係作りが大切だと気付きました。

仕事を始めた時の「立場が上でいられる」という考えから大きく変わりましたね?

もう自分の劣等感を感じていた部分は「個性」になりました・・

最初は自身の劣等感の解消から「人の役に立つ仕事がしたい」という感じでしたが、今は色々な利用者さんへの支援を通じて、「ありのままの自分を隠さず、このままの自分でいい」と思えるようになりました。最近は話がどもってしまうことや顔が外人に見えることは自分の「個性」として隠さずに自ら相手に話すようになり、そのことをイジってもらえると受け入れてもらえると感じ「美味しい」と嬉しくさえ感じています。

これからの夢を聞かせてください

・・・・・夢というか、安定して暮らせることが一番ですね・・

以前は結婚して暮らすのに給与面とか不安に感じたり、仕事を続けるか考えたこともありましたが、今は無いですね。奥さんに子供もいるので家族で安定して暮らせることが一番です。今は毎晩子供をお風呂に入れるのが自分の役割ですが、帰りが遅くなると奥さんに怒られるので、毎日残業は極力せず帰ってます。(苦笑い)